2015年11月8日日曜日

El CapitanでAndroidStudioがクラッシュする際の対策

El Capitanになんとなくアップグレードしたのち、Androidアプリを公開しようとしてGenerate Signed Apkを実行したところ、キーストア周りでクラッシュしまくるという謎現象に遭遇しました。

AndroidStudioを1.4から1.4.1にバージョンアップしてみたところ、今度は起動しなくなってしまったため、以下のブログを参考にAndroidStudioを再インストールしました。
http://dev.classmethod.jp/smartphone/android/android-studio-mac-uninstall/


rm -rf /Applications/Android\ Studio.app
rm -rf ~/Library/Preferences/AndroidStudioPreview
rm -rf ~/Library/Preferences/com.google.android.studio.plist
rm -rf ~/Library/Application\ Support/AndroidStudioPreview
rm -rf ~/Library/Caches/AndroidStudioPreview

その後、再度全てをインストールしなおし、少なくとも起動させることには成功。

からの、
https://support.apple.com/kb/DL1572?locale=ja_JP
より、試しにJava6をMacにインストールしなおした後に再度Generate Signed Apkを実行してみたところ、クラッシュせずにスムーズに書き出しができました。

というわけで、同様の問題に困った場合にはお試しください。

2015年3月20日金曜日

MacでWindows Azureの仮想マシンのリージョン変更をする方法

もはやSwiftではないですが、いろいろとハマったのでメモ。

Windows Azureがいつの間にやら日本リージョンでも仮想マシンを立てられるようになっていたので、東アジアリージョンに設置していたマシンを移行してみました。

一旦マシンを終了して、リージョンを変えて再起動、というような具合にはいきませんで、やはり物理的にデータをリージョン間で移動させるという処理が必要でした。

データのコピー命令を実行するには、コマンドラインツール経由でしかできず、そのためにはまずアカウント情報をコマンドラインツール側に教えてやる必要があります。

以下手順です。


1. 移転先のリージョン(今回は東日本)にストレージアカウントを作成

2. 新しく作ったストレージアカウントにコンテナを追加(プライベート)

3. この記事を参考にMac用のAzureコマンドラインツールをインストール

4. インストールが完了したら、ターミナルを開く
5. $ azure account download
6. 自動でブラウザが開き、publishsettingsがダウンロードされる

7. $ azure account import [手順6でダウンロードしたpublishsettingのパス]
8. $ azure storage blob copy start --account-name [コピー元ストレージのアカウント名] --account-key [コピー元ストレージのアカウントキー] --dest-account-name [コピー先ストレージのアカウント名] --dest-account-key [コピー先ストレージのアカウントキー]
9. SourceURIにコピー元ストレージのコンテナ内にある、コピー元仮想マシンのストレージ.vhdのURLを入力
10. Destination Container Nameに手順2で作ったコンテナ名を入力

コピーが完了するまで待つ
11. $ azure storage blob copy show  --account-name [コピー先ストレージのアカウント名] --account-key [コピー先ストレージのアカウントキー] で進捗を確認可能


今日は眠いので今度追記。

2015年2月26日木曜日

VRDisplay1.03をリリースしました

以前公開したVRDisplayのマイナーアップデートを行いました。
変更点は以下のとおり。

  1. ディスプレイの表示を調整し、以前よりも見やすく大きく表示するように
  2. Windowのタイトルバーを非表示に
  3. OSのメニューバーを非表示に
  4. Oculus Riftが接続されていない時のエラーメッセージを追加
  5. Mac OS 10.9における不具合により、対応OSを10.10以降に変更
以下詳細です。

1. ディスプレイの表示を調整し、以前よりも見やすく大きく表示するように
DK1に比べて、DK2の解像度が上がったとはいえ、やはりOculus Rift経由で画面を表示すると、DPIの関係上、どうしても文字がほぼ読めなくなってしまいます。そのため、以前のバージョンよりも画面を大きめにレンダリングするように変更しました。デメリットとしては、実際に巨大なスクリーンが目の前に出現するようになり、視界をほとんど覆ってしまうことですが、その分文字は読みやすくなっています。

また、Tips的には、メインのディスプレイの解像度をあえて低めに設定することで、解像度の低い小さめのディスプレイがVRDisplay内に表示され、現実的に作業がしやすくなります。

2. Windowのタイトルバーを非表示に
3. OSのメニューバーを非表示に
Oculus Riftを装着した際に、なぜか視界の上方がぼんやりと明るくなっていたので調査を行ってみたところ、WIndowのタイトルバーとOSのメニューバーの二つが表示されておりました。

この二つを非表示にすることで、先の問題も解決され、本来あるべき没入感を提供することが可能になりました。

4. Oculus Riftが接続されていない時のエラーメッセージを追加
5. Mac OS 10.9における不具合により、対応OSを10.10以降に変更
4は5の調査を行った際に副次的に追加したものですが、とりあえずそちらの方が親切なので残しました。
5に関しましては、ユーザー様より報告があり、調査をしたところ、どうやら10.9においてはNSApplicationDelegateのapplicationDidFinishLaunchingが呼び出されていないようで、一旦現状の対応端末から外しています。

原因については調査中で、何か分かり次第このブログでも報告したいと思います。

以上小さめのアップデートでした。

Gumroadで$4で販売中です。

公開時の元記事は以下
SwiftでOculus Rift DK2向け仮想デスクトップアプリを作った

2015年1月23日金曜日

SwiftでOculus Rift DK2向け仮想デスクトップアプリを作った

先日Oculus Rift DK2を買ったので、Swiftで仮想デスクトップアプリを作りました。
http://vrdisplay.tumblr.com/post/108885580424/vrdisplay-vr-desktop-application-for-mac-with

このアプリを開発するにあたって、以下の点で色々と苦労しました。
  1. Swift関数ポインタを引数に取る関数がうまく呼べない
  2. 画面キャプチャが重い
  3. 仮想ディスプレイがソフトウェアレンダリングでしか動かない
  4. ウィンドウごとのリアルタイムキャプチャが取れない
  5. 開発中にVR酔いになる
  6. DK2でも解像度が足りない
  7. Mac AppStore用にsandbox化するとOculus Riftが動かない
1. Swift関数ポインタを引数に取る関数がうまく呼べない
Swift + OpenGL + OculusSDKというかなり無理のある構成だったのですが、OpenGLのセットアップを行うときに、CADisplayLinkを用いて画面のリフレッシュに合わせてレンダリングを行うということをしようとしたのですが、
どうしてもSwiftからいい感じに関数ポインタを渡すことができませんでした。
そのため、ここは諦めて素直にObjective-Cを利用し、あとは基本Swiftという構成でなんとか乗り切りました。

OpenGLやOculusに関しては意外にもすんなりとSwiftで利用することができたので、
とにかく関数ポインタをコールバックとして渡す系が鬼門なのかなという印象です。

2. 画面キャプチャが重い
ただでさえOculusの駆動にマシンパワーが必要で、さらに3Dのレンダリングも利用しているので、画面データの転送にはなるべく軽快に済ませる必要がありました。
はじめはCGWindowListCreateImageを利用して毎フレーム画像を作っていたのですが、さすがに重すぎたために、AVCaputureScreenInputを利用して書き直しました。
この関数は毎フレームのキャプチャに向いていて、iOSのカメラのようにひたすらCMSampleBufferが届くので、それをOpenGLのテクスチャとして貼り付けてレンダリングすることで、軽快な動作を実現しました。

3. 仮想ディスプレイがソフトウェアレンダリングでしか動かない
このアプリを利用することによって、実際に存在するディスプレイの制約から解放されます。すなわち、Oculus Riftさえあれば、実際のディスプレイは必要ないということです。

なので、Kernel Extensionを利用して、Macに仮想的なディスプレイが存在していると思い込ませ、そのディスプレイのキャプチャをリアルタイムでOculus Riftで表示してあげれば、
ディスプレイは無限に増やせることになります。

実際にEWProxyFramebufferなどを利用して、仮想ディスプレイを作り出し、それらをVRDisplay上で表示するテストなどを行ってみたのですが、ハードウェアアクセラレーションが効かないようで、非常に重たく、使い物にならないというのが現状でした。

なので、今回のバージョンでは仮想ディスプレイを利用することを一旦諦め、
潔く一枚の画面が目の前に表示されるという方法にしています。

また、現在開発に利用しているMacBookProが、ディスプレイを2枚までしかサポートしていないので、
もしかしたら複数枚サポートしているMac Proなどでは、ある程度軽快に動かすことができるのかもしれません。

4.ウィンドウごとのリアルタイムキャプチャが取れない
仮想ディスプレイデバイスを作成して、仮想空間に好きなだけディスプレイを置く作戦には失敗したので、どうにかしてウィンドウのキャプチャを取り続け、それらを独自に再構成することはできないものかと調べてみました。

2で説明した、もともと利用していたCGWindowListCreateImageは、個別のWindowのキャプチャを取れる点が非常に良いのですが、その分動作が重く、毎フレーム取得しようとすると、極端にFPSが低下し、全くもって使い物になりません。

MacのWindowServerに相当するアプリを一から作ることができれば、この辺りは好き勝手にできるようですが、ドキュメントなどが一切存在しないため、不可能に近い状態です。

5.開発中にVR酔いになる
例えば先ほどのFPSが非常に低下したバージョンを実際に試すと、頭を動かした瞬間に目の前全体がガクガクし、その勢いで強烈な吐き気がこみ上げてきます。

開発の序盤のうちは、正しくレンダリングができておらず、視界の隅を気にしてしまった瞬間に気分が悪くなり、そのまま復活せずにその日の開発は終了せざるを得なくなることが多々ありました。

幸いにして段々と自分の体に耐性がつき、またアプリもまともに動くなるように連れて、このような現象にさいなまれることは減りましたが、あるゲームベンダーは開発者がVR酔いをしてしまったがために、Oculus Riftへの対応を見送ったというニュースが出るくらいなので、これはこれで非常に大きな問題であるように思います。

80年代SFホラー『Routine』のOculus Riftサポートが廃止に「現行のキットでは開発全員がVR酔いする」

6.DK2でも解像度が足りない
Oculus Rift DK2はSamsungのGalaxy Note 3のフロントパネルをそのまま利用しており、解像度は1920x1080で、片目あたり960x1080の画面が利用されています。両眼でFullHDなので、テレビであれば非常に高精細で綺麗にみえますが、虫眼鏡で拡大して目の前に置くような用途では、ドットとドットの間が目立ちます。特にプログラムを書いている時などは、フォントを大きめに設定するか、画面に近づかないとうまく文字を読むことができません。

このあたりは、ハードウェア的な進化を待つしかなさそうですが、他にもソフトウェア的に虫眼鏡を実装したり、その他拡大縮小などの便利系コマンドを用意することで、多少の改善が見込めないかと考えています。

7.Mac AppStore用にSandbox化するとOculus Riftが動かない
Mac AppStoreでアプリを公開する場合には、sandbox化と呼ばれる作業が必須項目になり、USBデバイスやカメラにアクセスするようなアプリケーションは、Entitlementsに宣言しなくてはならなくなったり、アクセスするフォルダを事前に書いておかなければなりません。

XcodeのSandbox化用のUIから、USBを利用するというチェックボックスがあったのでそのチェックを入れてみたところ、画面は正しく表示されるものの、ヘッドトラッキング/ポジショントラッキングが完全に利用できなくなってしまいました。

何かしらのキーが足りていないせいだと思われるのですが、いろいろと調べてみてもあまり情報が載っておらず、またArduinoと通信するアプリケーションを作成している記事にあるのと同様の設定をしてみても利用できないので、現状AppStoreでは正常に動作するものが公開できませんでした。

他にもUSBを利用する系のアプリをSandbox化したところ、正しく動作しないという例が存在しており、Oculus Riftを利用するアプリは基本的にはMac AppStoreで配ることができなさそうです。
Apple XCode entitlements Sandbox - つらつらと日々のメモを公開するブログ

まとめ

  • SwiftでもCのライブラリは素直に利用できる
  • Oculus Riftすごい
  • 仮想ディスプレイのハードウェアアクセラレーションは課題。Mac Proならソフトウェアレンダリングでも速いかも
  • USBデバイスを使うアプリはMac AppStoreでは基本的にリリースできない
  • より高解像度のOculusが待ち遠しい


というわけで、もし気になりましたらダウンロードしてみてください。
Gumroadで$4で販売中です。
Oculus Rift DK2の元が取れたら万々歳かなと思っています。